【連載インタビューコラム】キッチンは自由だ!
日本における唯一無二の『キッチンデザイナー』として活躍中の和田浩一氏が“理想のキッチン”について語る連載企画。今回はキッチンの自由度について語ります。
今回は「キッチンは限りなく自由だ!」というテーマでお話しします。どこまで自由か?というと、私は「法律に触れさえしなければ、とにかく何でもできます」と説明しています。犯罪がらみの話ではありません(笑)、要するに『建築基準法』『消防法』などをクリアしていれば良いわけで、極端にいえば、「天板を紙で作る」みたいな突飛で自由な発想だって叶えることができるという話です。
もちろん、天板に求められる耐水性や耐摩耗性などは必要不可欠ですが、例えばステンレスが機能的に100点とすれば、人口大理石は80点。それでもお客様はそれを許容し採用しているわけですから、紙だって同じですよね。
ところが日本ではキッチンメーカーと利用者の間に、流通や工務店が入り、誰がどんな売り方、使い方をするのかわからず、クレームが怖いからそんな冒険はしません。しかし僕らの目の前には、実際にキッチンを使用するお客様がいます。相手が求め、納得してくれるのであれば、きちんと説明したうえで100点ではないにせよ、耐水性や耐摩耗性を考慮した、ローコストでデザイン性に優れた紙の天板を提案することができるのです。
それはレイアウトもしかり、素材もしかり、色や設備もそう。お客様と直接対話ができるキッチンデザイナーが手掛けることで、キッチンは既成概念から解き放たれ、限りなく自由に羽ばたくことができるのです。
和田 浩一 /株式会社STUDIO KAZ代表
キッチンデザイナー・インテリアデザイナー
1965年福岡県生まれ。オーダーキッチンのエキスパートとして、空間デザイン、キッチンデザイン、プロダクトデザインやグラフィックデザインなどに携わる。1994年の事務所設立以来800件以上のオーダーキッチンに携わる。
キッチンスペースプランニングコンクールや住まいのインテリアコーディネーションコンテスト、グッドデザイン賞など受賞歴多数。
2014年~キッチンアカデミー主宰。1998年~2012年バンタンデザイン研究所非常勤講師、2002年~2006年工学院大学専門学校非常勤講師、2014年~東京デザインプレックス研究所非常勤講師。
著書に『キッチンをつくる―KITCHENING』(彰国社)、『世界で一番やさしいインテリア』(エクスナレッジ)、
『世界で一番やさしい家具設計』(エクスナレッジ)他。
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