【インタビューコラム】インタビュアーをどう使うか?
弊社代表・伊藤が、インタビュアーのビジネス活用について、熱く語ります。
40歳の時に会社員を卒業し、フリーランスのライターになって5、6年くらい経った頃でしょうか。元はといえば、一応、営業マンでしたから、ヒアリングが得意で、お客様から評価されていたこともあって、世の中にあふれはじめたWebライターとの差別化を図るために自ら「インタビュアー」を名乗るようになりました。まあ、いうなればブルーオーシャン戦略をとったわけですが、ところが「インタビュアー」を名乗ることで、新規営業がやりづらくなるという弊害が生じてしまったのです。
「ライター」は“モノを書く人”と認識され、“どんな風に活用すれば良いか”イメージつきやすいのですが、「インタビュアー」の場合、“インタビュアー?へー、おもしろいですね。で?”となりがち。すなわち「インタビュアー」が何をする人なのかは理解できるけれども、ビジネスにおける活用シーンが伝わりづらいし、イメージが浮かばない。
「記事を書くためのインタビューであればライターが兼務すればいいじゃん」って話になるし、他にインタビューが必要なシーンって?コンテンツ?記事?動画?インタビューだけを切り取ってインタビュアーに発注して、一体どんなメリットがあるの?って、そこで思考が止まってしまう。まったくもってマーケティングがしづらい仕事であります。
そんな時に僕は、このように説明します、「コンテンツ化して情報を発信する、その思いの源泉は人の頭の中、心の中にあります。“思い”を持っている方の深層価値にリーチして、ご本人が言語化しやすくサポートします」と。要するに、人はみなナイスなアイデアや思想、哲学を持っているけれど、すぐにメモしたり、キーボードに向かったりしないと忘れちゃう。あるいは、意識はしてなくても、自然に行動に表れている、深層意思みたいなものも含めて、無自覚のまま頭のどっかにしまってあるわけですよね。その心の深い部分にある箱みたいなモノをインタビューでこじ開けながら、もわっとした“思い”を引っ張り出して言語化してもらう。とはいえ、特別な準備や仰々しいセッションなんか必要なくって、あくまでリラックスして自然にしゃべってもらうだけでOK。会話をしながら、第三者目線でキャッチアップして、誰もがわかりやすい言葉に置き換えていきます。この一連の作業を、僕は「翻訳」と呼んでいるのですね。
何が重要かといったら、その人が考えているもわっとしたものを、正しく言語化=カタチにすることです。ニュアンスも含めて、正しく言語化する。記事化なんて単なるオプションですよ。重要なのは、価値化です。読者が求める記事にするとかバズるとか、そんなのはもっと後ろの工程で考えれば良い。インタビュアーはコンテンツが生み出される工程の名で、もっとも源流の近くに立っているのですと。
リピートしてくださる方はわかるのですよ、“インタビューが違うとアウトプットの品質が違う”ということを。インタビューが薄ければ、それを元に作るコンテンツも薄くなってしまうことを。例えば、記事であれば表面的な言葉を取り繕ったり、盛ったりすればとりあえず、何となく記事っぽくはなりますが、読めばわかります、読後に何も残らない。インタビューが濃ければ、内容は当然濃くなります。多彩なエピソードを拾ってくれば、読み応えのある記事が作成できます。
それって素材と料理の関係と同じですよね。どんなに料理人の腕が良くても、素材が良くなければ美味しい料理は作れません。インタビューは重要な素材です。なので、僕たちは良質なコンテンツを制作するために必要なインタビュー音源や書き起こしテキストを提供する“素材メーカー”を自認し、インタビューのクオリティをひたすら高めようと邁進しているのです。
“素材メーカー”として、皆様のコンテンツ拡充をお手伝いするとともに、新しい活用法を提案しています。例えば、記事や動画コンテンツ制作以外では、ユーザー動向や意識調査、社員のスキルや業務に向かうマインドの棚卸しや、新規事業立ち上げや起業前のコンセプトメイク(壁打ち)にも活用していただいております。「こういうのもできるのでは?」という対話の中で、インタビューの可能性を追求しながら、お客様とともに新ビジネスを作りたい。それが弊社の基本スタンスです。