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民泊コンサルとオーナーが徹底討論「民泊事業のリアル」

2019年10月5日

マンションや戸建ての空き部屋を活用して宿泊客を受け入れる民泊が新たな資産活用法として注目を集めているが、果たして本当にメリットはあるのか?関係者のリアルな声を拾ってみた。

(対談者)

宗 華さん(右)
中野区の自宅、千葉県の実家の活用を皮切りに、千葉・東京エリアに数軒の民泊を運営。成功を果たしている個人事業者

八坂太洋さん(左)
楽天株式会社を経てTOKYO307inc. CEOに就任。ホテル、旅館、民泊、レンタルスペース等あらゆる空間活用のコンサルティング業務に従事

――まずは、民泊業界におけるお二人の立ち位置を正確に把握したいと思います。

八坂 まだ情報が可視化されていなかった2016年に民泊の情報サイトを開設。当時は訪日観光客の伸びが凄まじい時期で、少なくとも、オリンピックまでは民泊需要が高まることは予測できましたし、日本独自の問題である空き家問題の解決にも寄与できるのではないかと考えました。自分自身で民泊のホストをしていた時期もあるので、ホストとしての視点と、メディアとしての視点の両方を持って、様々な事業者様と交流させていただいていたので、広く現場感というのは把握できているのではないかなと思っています。

宗 私は本業で民泊を運営している人という立ち位置ですね。民泊をはじめたのは、体調を崩して休職・退職した時期。生活のために都内の自宅を賃貸に出し、千葉の実家に戻って暮らしはじめたのがきっかけとなりました。そのときに世話になった不動産屋に紹介されたのが民泊。千葉の実家であれば旅館業法をクリアできそうだとわかり、親に相談して空き部屋を使わせてもらい、個室貸しからスタートすることにしました。駅から25分と遠く、当初は〝誰も来ないのではないか?〞との懸念はあったのですが、当時は、一部屋貸しで家主が住んでいる状態というのがかなり珍しく、Facebook上に発信したら「面白い場所があるらしい」と話題に。妻のホスピタリティが高いこともあってリピートも増え、順調に顧客が増えていきました。手ごたえを感じたので、千葉の一軒家や船橋でもう一軒増やしていって、どんどん拡大をしていきました。

――拠点を増やしていくための資金はどうされたのですか?

宗 最初は親戚にお金を借りたりしました。千葉の物件は400万円とそれほど高くはなかったので、ミニマムスタートで始めれば何とかなるだろうと思いました。実家のときは消防設備に30万円投資しただけ。2軒目のオープンと同時に、法改正によって中野の自宅でも運営が可能になりました。実家と自宅だけで月70万円ほど収益があがるようになったので、もう少し頑張ればまた千葉で1軒くらい買えるではないですか。親戚から借りたのは数百万円ですから、普通のサラリーマンであれば融資を受けることが可能な金額ですよね。今年の3月には船橋で4軒目をオープン。その後、新宿・中野・高円寺で4軒ほど、新宿と中野は物件を所有するのではなく、〝転貸〞で運営をしています。

――当初の民泊といえば、自宅の空いている部屋を活用するパターンが多かったような気がしているのですが、もはや宗さんのようにしっかり事業として運営されている人が増えているのですね。

八坂 現在の民泊の半分以上が家主不在型、すなわち無人で運営されているものになります。交流型をうたう方は多いのですが、割合としては少ないですね。特に、いわゆる民泊新法が施行されてからは、手続きや日数制限などから民泊運営自体を辞められた方も多くて、去年の6月を機にガラッとプレイヤーが入れ替わった感じはあります。何も考えずに副業感覚で運営していた人に変わって、最近ではディベロッパーといいますか、法人が参入。賃貸に変わる新しいビジネスへの参入という感覚で手掛け始めています。ところが参入組にはノウハウがないので、私たちがコンサルティングを実施している状況です。(続く)

豊かな暮らしを創るコミュニティ・ペーパー「禅CLUB」9月号に掲載

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