noteインタビュー術コミュニケーションスキルエーアイプロダクション
2019年11月16日

【全部ネタばれ】年間500人の心を開いてきたプロ・インタビュアーがインタビューされて、インタビューのテクニックをすべて語り尽くした超ロング・インタビュー記事(第四回)

年間500人以上対応のプロ・インタビュアーとして、数多くの経営者、文化人、タレント、学者、医療従事者、アスリート、専門家、ビジネスパーソンの話を深掘ってきた伊藤秋廣(株式会社エーアイプロダクション代表)が、初対面の人の心をわずか数分で開き、気持ちよく論理的に話を引き出すテクニックを、すべて大放出いたします。(聞き手:近藤由美)

相手との距離感を見極める

 

近藤さん(以下敬称略):

だんだん具体的な話になってきました。前回は、インタビューの中で質問を考えて、対話をしながら、相手の本質に近づいていくという話を聞きました。でもインタビュー慣れしている人って聞けば聞くほど、当たり障りなく、それって過去に聞いたことのあるネタばかりだったりしませんか。

 

伊藤:

そうですね。前回までの話は、あまりインタビュー慣れしていない方へのアプローチって話ですよね。確かに有名な起業家って絶対、過去のインタビュー記事と同じこと言うんだけれど、僕らはそこで終わるわけにはいかない。もうひとひねり欲しい。そういった場合は、でも、でも、でも、って、言葉には出さないにせよ、そんなことないだろうと心の中で否定しながらカマをかけていくイメージですかね。

 

「でも、学生時代に起業するって、普通じゃないですよね?」「社会貢献意識が強かった。でも、お金をたくさんもらいたいって思わなかったんですか?」「正直なところ、学生の頃って、会社に勤めたくないとかありませんでした?」「でも、ロールモデルとかいたんじゃないですか。尊敬している人、あこがれている人は?

そもそも、お父さんも自営?身近なところに経営者がいた?」とか思いながらストレートに聞くんではなくて、言葉を選びながら慎重にカマかけていく感じとかですかね。

 

でも、たぶんですよ、そこに行くまでに、深く突っ込んでいくまでには、もっと他の方法でアプローチをして、それを自然に話させるようにしているな僕、たぶん。

 

ひとつの質問で深くまでいかない。最初は一般的なところで終わらせていますね。例えば、「どうして起業されたんですか?」って話になると、最初は表面的な、いつも言い慣れている答えが返ってくる。ここではこれでやめておく。

 

近藤:

「そうなんですね」って、一回終わる?

 

伊藤:

うん。もうちょっと掘るかもだけど、深くは追求しないで、だんだん、話しが進んでいくなかで、いい感じになったり、熱くなったりしたときに、もう一回聞く。相手との距離が近づく瞬間ってあるじゃないですか。そこを見計らって「そういえばさっき、こうおっしゃっていましたけれど、もともとは起業したい気持ちって、本当はこういうところがあったんじゃないですか?」と、後半に打ち明け話しっぽく聞いたり。

 

近藤:

本質を聞くにも、お作法というか、タイミングというか、ちゃんと距離感ができたうえで聞かないと、たどり着かないってことですか?

 

伊藤:

そうですね。それはけっこうメディア露出していて喋り慣れている経営者とか文化人の時だけですよ。本質に切り込んでいくのには相手との距離が大事なような気がしていて。それは著名人じゃなくても一緒かな。ここで本心に切り込んでみる!ってタイミングを逃さない。距離が近づいて、しかも相手は熱くなってきたときに、話の腰を折らずに、隙間を狙って的確で短い質問を差し込む感覚。

 

愛されるインタビュアーを目指す?

 

近藤:

私、いつも思うんですが、冷静な視点と、一緒に盛り上げる、同時に2つ3つの軸がないとうまく進まないし、無駄に時間がかかったり、長く聞いたわりに上手く聞けなかったり。そういうバランスが難しい。

 

伊藤:

それはこの後のテーマ「論理的な聞き方」のところで、じっくり話すことにして(笑)。聞きたいことを聞き漏らさないためには、こっちが論理的に聞いていくしかないっすよ。話している側に論理を期待しちゃダメだし、得てして、そういう論理的な話ってつまらないし、よくできたスクリプトみたいになっちゃう。事前に話すことを用意しているから一見、論理的に見えるんですよ。

 

でも、僕らはインタビューをして、その場で本人さえも普段意識していなかった本質を掘り当てたい。論理をただしながら、そこを聞くのは僕らインタビュアー側の役目ですよ。話しやすいようにアシストしてあげればいい。それは後ほど、話しますね。

 

で、この時点で、お話ししたいのはさっきの距離の話。本質を語ってもらうには、結局、僕を好きになってもらうしかない。愛されキャラのインタビュアー(笑)。

 

近藤:

相手に?

 

伊藤:

そう、相手に僕を好きになってもらう(笑)。だって、嫌いな人に話ってしたくないもん。もし自分だったら、どんな人にもっと話しを聞いてもらいたなって思うかって話ですよ。今回の記事の前提としては、インタビュー慣れしている著名人や優秀な経営者ではなくて、インタビューに慣れていない人、人前で話すとかそういうことをあまり経験してない人をターゲットにしていて、どんな人にも話しをさせる技術というか、そういう話を中心にしたい。話し慣れている人は勝手に話してくれるから。

 

企業の研究職で、あんまり普段はコミュニケーションを取ってないけれど、求人サイト作るときに、この人に登場してもらわないといけないとか、そういう人に楽しく、普段考えていることを話してもらわないといけないわけで、そういうところに価値を感じるというか。話す人は、話して当たり前なので、インタビュー慣れしていない人なのに、楽しそうな表情が撮れて、話しをさせるというところに価値がある。

 

それを30分とか、40分の決められた時間の中でゴールまでもっていくというのは、最初の5分とか10分で、「この人いい人だな」「この人、楽しい人だな」「話して理解してくれる人だな」と信頼関係を結んで、一気に後半では楽しく本音で話せる、というところに持っていくのが理想ですよね。

 

近藤:

そのために何をするんですか? 最初の5分で。

 

伊藤:

それは次回のお楽しみで(笑)。

続きはnoteにて連載中。