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徹底討論「民泊事業のリアル」(最終回)

2020年01月20日
シェアリングエコノミー民泊

新たな資産運用法として注目を集めている民泊について、オーナーとコンサルタントという二人の専門家がリアルな実情を語りあった討論企画も今回で最終回。民泊運営に関するあらゆるリスクや課題について把握しながら、オリンピック以降の戦略についてお聞きした。

――ここまで聞く限りでは、良いお話ばかりのような気がいたしますが、逆に民泊を運営するに当たって注意しなければならない点などあれば教えて下さい。

宗 そうですね。まずは競争相手がどれくらいいるかをキチンと把握しないといけません。周りには自分より圧倒的に資金力のある個人や企業がたくさんいるわけなので、「私はいける」と軽く思わないほうがいいです。

八坂 大阪や京都では既に価格競争が始まっています。東京も大阪もそうですが、中心部は競合が多いので、すごくニッチな所を狙って一人勝ちするのもいいかもしれません。
宗 僕は家賃や元手もほぼ0から始めましたが、それを200~300万円かけて転貸でやるかっていうと、ちょっと躊躇しますよね。大家としては、人に貸してしまうのが一番リスクの少ない方法だと思います。貸してほしい人はたくさんいますし、現段階でそれをやっている大家はかなり賢い方だと思います。

八坂 貸すにしても、近隣に起こりうる問題をカバー出来る人に貸さないといけないかなとは思いますね。騒音問題などもそうですが、近隣から「ここの物件どうなっているんだ?」って事にもなりかねないですし。周りの方との付き合いもありますから。

――誰でもいいから託すわけにもいかない?

宗 そうですね。やはり信頼できる人に貸すのは大事です。

八坂 共同で借りるっていうパターンも崩壊する可能性が高いので辞めたほうが良いですね。お友達感覚で始められるとすぐ辞められますし、逃げる人もいます。お金が続かなくて、誰が負担するんだ、みたいな話になって、そのまま放置されるケースみたいなのも私は何回も見ています。オーナーさんにも見極める力が必要だと思います。

宗 普通に家を貸す時にも、相手のことを見るではないですか。それとあまり変わらないですよね。僕は運用ってそこまで得意じゃなくて、コンセプトや内装を考えて、お金をあまりかけずに家を作って民泊をオープンするまでが得意なんですよね。それで奥さんのホスピタリティが評価されて、中国の方などのリピーターを増やしていて、人のプラットフォームのようになってくれていますね。

八坂 通常だったらAirbnbとか大きな仲介サイトから来ると思うのですが、一回ファンができると利用者の間で拡散されていくので、それこそ特定の国に強くなるんですね。

――最後になりますが、オリンピック以降の戦略イメージを教えて下さい。

宗 初期費用がかかっていないので、状況を見ながら固定費が下回るようなら撤退します。自宅と実家は個室をシェアハウスにしてもいいし、家に戻してもいいかなと。最初は考えてなかったんですけど、柔軟な運用方法は考えています。最近少し予約数が減ってきていますし、韓国の問題や円高の影響など、外的な要因でガラッと変わってしまうので。

八坂 それこそリーマンショックとかも、当時ホテルって沢山潰れたんですよ。それだけで飛んじゃう可能性があります。

宗 中国もよからぬ噂ではないのですが、ビザを出さず旅行者数が制限されているという話を聞きます。中国・台湾は確実にやっているんですよね。そういったリスクを把握して、どうなっても対応できるように備えないといけないですね。

八坂 最悪のシナリオというものは想定しながら動くべきだと思います。撤退速度は早いほうが良いですね。あとは、レビューで叩かれてしまうともう終わりなので。ホスピタリティだけは本当に大事なので、本当に色々な事を考え、対応しなければなりません。もちろん、スタートダッシュも大事ですね。

宗 華さん
中野区の自宅、千葉県の実家の活用を皮切りに、千葉・東京エリアに数軒の民泊を運営。成功を果たしている個人事業者

八坂太洋さん
楽天株式会社を経てTOKYO307inc. CEOに就任。ホテル、旅館、民泊、レンタルスペース等あらゆる空間活用のコンサルティング業務に従事

豊かな暮らしを創るコミュニティ・ペーパー「禅CLUB」12月号に掲載