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インタビュー術コミュニケーション
2019年12月15日

人の心を開いていく悪魔のテクニック(ちょっと大袈裟)PART01

年間500人以上対応のプロ・インタビュアーとして、数多くの経営者、文化人、タレント、学者、医療従事者、アスリート、専門家、ビジネスパーソンの話を深掘ってきた伊藤秋廣(株式会社エーアイプロダクション代表)が、初対面の人の心をわずか数分で開き、気持ちよく論理的に話を引き出すテクニックを、すべて大放出いたします。(聞き手:近藤由美)

キャラ出し一発ギャグのススメ

 

近藤さん(以下敬称略):

前回は、本質を語ってもらうには、愛されキャラのインタビュアーになるってお話で、そのために最初の5分間で何をするか?いいところで話がおわっちゃいましたね(笑)。

 

伊藤:

はい、引き延ばし工作です(笑)。っていうか、じゃあ、近藤さんにとって話しやすい人ってどんな人ですか?

 

近藤

やっぱり、ちゃんと聞いてくれる人ですよね。

 

伊藤:

そう、それに尽きる。前のめりで興味持ってくれて、ニコニコしていて、自分の価値を認めてくれる人。自分を理解してくれる人に好意を持つというか、“この人になら話していいかも”という感覚になると思うんですよね。そんな感じで、インタビューって40分、50分って枠が決まっているから、早い段階で「この人、自分の価値を認めてくれているな」って思ってもらえるような状態に持って行っておかないと時間がもったいない。シーンってなったままだとマズいんで。

 

そこに持って行くためには、もちろん色々なパターンがあるし、人によって違うと思うし、キャラもあるかもしれないけど、僕はですよ、ざっくり言っちゃうと、自分の人間性をいきなりさらけ出しちゃう。

 

近藤:

伊藤さんが?

 

伊藤:

そう、僕が。この前言われた「なんか珍しいタイプのインタビュアーさんですね。めちゃめちゃ自分のキャラクターとか個性を最初に出すんですね」って言われた。ただ自分を出すだけではなく、楽しい人だって思ってもらえないといけない。ウザいと思われたらおしまい。さりげなく人間性をじわりと見せる感覚。だからそこに一工夫くわえる。もしくは自分を出さないでもいいですが、この一工夫だけでも使える。

 

こないだ、ニューオータニの一番上の回転するレストランのマネージャーにインタビューする機会があって。僕が最初に何言ったかと言うと、「ニューオータニさんには、僕は取材で以前うかがったことがあるんですが、うちの家内がこの間、女子会でお世話になりまして」なんて言うと、どっと受けたりして。

 

最初の一言で、自分の個性というか、ネタをバーンと出して、和んだところで質問をはじめる。自分はこういう人間なんです、面白い人間なんです、ちゃんとジョークも言えてウィットに富んだ人間なんですというのを、素直に出しちゃう。話しやすい、親しみやすい人間でしょ?ってアピールする。「何この人」「ちょっとめずらしいタイプ」って、興味を持ってもらって、そこから今度は、身振り手振りを交えながら一生懸命話したり、一生懸命質問したり、一生懸命聞いて、一生懸命反応するって感じ。

 

最初の質問の「今回は予約システムの話なんですけど、」と行く前に、楽しく話せるような雰囲気にしちゃうかな。これはたぶん、僕のキャラだからイケるのかも。

 

後は、いかにも事前に仕込んできたネタではなく、この場に来なければわからないようなネタをピックアップして誉めてあげる。自分がこだわっているところに気づいて誉めてもらえると人はめちゃ喜ぶし、「こいつわかってるな」って思う。

 

例えば歯医者さんに取材したとき、「先生、受付の女性、美人ばっかりですね」なんてこっそり言うと、「そうでしょ、顔で選んでるんだ、俺(笑)」とか始めるわけ。「顔だけじゃなくて、応対もすごくいいですし」っていうと、相手も悪い気はしない。こうして本題の質問に入る前に距離を詰めちゃう感覚はあります。

 

インタビュアーは探偵か?

 

近藤:

そういうネタを意識的に仕込んでいる? 準備してるんですか?

 

伊藤;

いやいや。ちょっと早めに現場に行って、会社の周りを見たり、受付の様子を見たり。こっそりネタを収集する。

 

昔ね、ある大手製薬会社のトップセールスマンの話を聞いて、それがめちゃくちゃ優秀な方で、今でも忘れられないんだけど。その人がなぜ優秀かっていると、シャーロック・ホームズなんですよ、まさに探偵。

 

この医者のところに行くとなったら、5分、10分前に現地に着いて、まずは駐車場へ行き、どんな車に乗っているかを見る。「アルファロメオだな」「中にチャイルドシートあるな」「あ、CDは、、、」「車は意外と汚れているな」とか見て回る。

 

で、中に入って、並んでいる雑誌を見て、「主婦向けの雑誌を置いている」「ハイクオリティな『装苑』とか置いている」。さらに壁の絵を見ると、「これはよくあるやつだな」「お、これはオリジナルな感じだな」とか、人間性とかセンスとかプロファイリングして、そこから営業に行く。それってすごく大事だと思っていて。

 

そして、医師と対峙したら「この絵って…」って始める。事前に調べることより、現場で仕入れたネタのほうが「俺のこと理解しようとしている…」って、伝わりやすい感覚はありますよね、事前にネットで見て、情報を仕入れるより。自分の目で見て、自分の言葉で感想を述べているから、相手に刺さるんですよ。ネット上の言葉を借りてきているわけではないので。

 

ここに来て、こう見て、“俺のやろうとしていることをちゃんとわかって見てくれているな”とか。レストランのマネージャーさんだったら、お店のサービスとか応対を評価してもらうほうが嬉しいみたいで、「しっかり教育されているんですね、めちゃくちゃ感じが良い」とか言うと、「そうなんだよ」ってグッと入っていける。とにかく現場のネタを重要視して、最初にぶっ込んでいくみたいなことはしていますね。

(次回に続く)