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【ショートコラム】良い記事って何だろう?

2022年01月28日

弊社代表・伊藤が、“良い記事”の定義について考察します。

最近は、外注ライターにお願いすることも増えましたが、元はといえば僕も“インタビューして書く人”として売っていたので、フリーランスの時代から、ずっと記事を書き続けてきました。それこそ、年間350~500人にインタビューすれば、最低でも350~500本は書くわけだし、インタビューはしないで、いただいた資料をベースに書いたり、セミナーやイベントルポも書くので、とにかくこれまでにおびただしい量の記事を書いてきたのは確か。

インタビューを元に書くQ&Aスタイルのインタビュー記事からプロジェクトストーリー、雑誌やWEBメディアで求められるドキュメンタリータッチの記事、情報誌に掲載されるお店&サービス紹介など、ありとあらゆる媒体で様々な文体、長さ、硬さ、柔らかさ、目的に応じた文章を書いてきました。

ぶっちゃけ、ちゃんとした文章の勉強をしたわけでもないし、出版社や新聞社、編プロに所属したわけでもない。すべて自己流。お作法もセオリーも学んだことがなく、とにかくひたすら経験を重ねてきました、執筆武者修行状態。正直、僕の文章を上手いというお客さんもいれば、そうではないという人もいます。自己評価としても、決して名文筆家だとは思えないし、書くのは好きだけれど得意だと思ったことはない。そもそもどんなのが上手い文章で、どんなのが普通なのか、そんな基準さえわからないというか曖昧。人の文章を評価するほど野暮じゃないですし。

僕の文章を好きだと言ってくれる人は概ね、細かいことは言わない人。あまり自慢できることではありませんが、けっこう誤字脱字もあったり、時には整っていない文章もあったりします(汗)。言い訳するようですが、毎日けっこう納期に追われている日々だらけなので、完全に推敲できていない(最近は、極力頑張ってます!)。それでも、僕の文章を「好きだ」といって発注し続けてくれる人がいらっしゃいます。もちろん、逆に「誤字脱字が多いから」と離れていくお客さんも正直います。でも、上記の理由で一旦、離れた人の中には、また戻ってくるお客様もいます。

そんな経験を重ねていくと、果たして、良い文章って何だろう?よい記事って何だろう?何が重要なんだろう?と改めて考えてみたりします。もちろん、僕らは小説家やエッセイストではないので、お客様の求めに応じて書くことがほとんど。僕が請け負うのは基本、いわゆるインタビューコンテンツと呼ばれるモノで、僕の文章を気に入ってくれている人は、恐らく僕のインタビューを評価してくれているのではないかって思ったりします。誤字脱字を許してもらえるくらいのパワーが僕のインタビューにあるのかもしれないと(甘えちゃいけませんけれど・汗)。

一旦離れたお客さんも、他のライターのインタビューを見て、僕に戻ってきたりします。すなわち、細かいところはどうでもいい、校正すればよいこと。でも、コンテンツとして表現するために不可欠な素材のほうがむしろ重要で、しっかりとインタビューをして、その人の内面にある思いや本質を引き出さなければ、結局、ただ表面的に読みやすいだけ、整ってみえるだけの文章で終わってしまうと、そう思ってくださっているのです。

どんなに腕の良い料理人でも、素材が良くなければ、うまいモノは作れないのと一緒で、雑なインタビューで薄っぺらな話だけを聞いたところで、味も素っ気もない、まるで中身のないテキストにしか仕上がりません。味を濃くしようとしたら、根も葉もないエピソードを盛る、すなわち化学調味料をたっぷり使わなければなりません。

まあ、ちょっと前までは、そんなイージーな感覚でも記事を書いても通用していたかもしれませんが、それはあくまでコンテンツ黎明期の話。食べ物と同じで、人々の舌=審美眼が肥えてくるとそうはいきません。本当に美味しいモノはどういうものかわかってきます。コンテンツの世界もまったく同じ。これだけたくさんの記事があふれているから、ありふれた話や作り込まれすぎて薄っぺらな“思い”をテキスト化した記事では通用しません。

僕の文章を良いと言ってくれる人は、素材ハンターとしての僕を評価し、僕の使い方をよくわかっている人です。そしてインタビューコンテンツの本質を正しく理解している方です。もちろん、甘えていてはいけませんから、これからは本当にしっかり推敲に時間をかけますけれども(笑)、得意なインタビューに特化して、質の良い素材をお渡しするというビジネススタイルを確立していっても良いのではないかと思ったりしています。文章を上手に書く人は世の中に山ほどいますから、そういった方々にご愛顧いただけるようなインタビュー特化のサービスを作っていけたらいいですね。

文責・伊藤秋廣(エーアイプロダクション)
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