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【読むPodcast】Podcastトークをテキスト化!【episode #07】気鋭のフラワーデザイナーから聴いた“生命力”にまつわるエモい話

2024年04月20日

年間500人/100社にインタビューを続けるプロ・インタビュアー伊藤秋廣が、日々の取材活動の中でキャッチした、エモくてタメになるエピソードをバシバシご紹介するPodcastをテキストコラム化。TVや雑誌で大活躍中のフラワーデザイナーから聴いた「生命力」にまつわる話が忘れられない。どんな困難な時代でも“生き抜く力”とは?

わたくしごとで恐縮ではございますが、毎年、正月にざっくり“今年のテーマ”みたいなものを決めているのですが、ここ数年はずっと「生命力」という言葉を意識しています。平たく言えば、生き抜く力ですね。生き死にの話ではなく、社会的に、経済的に生き抜く力です。

私は40歳の時に脱サラして、いきなり未経験でフリーランスのライターとしてスタートしたのですが、どこかの会社の専属になるとか、毎月決まったお仕事がいただけるサブスクとかレギュラーとかもったことがなくて、例えは微妙ですが、MCとして冠番組を持つ芸人ではなく、いつもひな壇でゲストに呼ばれるような芸人みたいな立ち位置だったわけです。

明日をも知れない身です。来月仕事ないなー、どうしようなんて不安にさいなまれることも多々ありました。これ独り身ならいいのですよ、娘もいましたしね、家のローンも車のローンもある。もう、自分だけが我慢すればいいという世界ではなく、仕事がなくて報酬が得られないと、家計が崩壊する。そんな危険と背中合わせの生活を送ってきたわけです。

来月、仕事入ってないけどどうしよう?あの人にメールしてみよう、新規営業掛けてみようとか、クリエイティブ脳より、営業脳を駆使して、とにかく仕事をかき集めることばかりを考えていたあの頃。軌道に乗ってきたのは独立してから4-5年が過ぎた頃ですよ、お客さんがついてきて、紹介もしてもらえるようになって広がってきましたが、それでもやっぱり不安は付きまとう。

妻はけっこう、どっしり構えるタイプなんで「ないならないで仕方がない、のんびりすれば」と言ってくれるのですが、私は根っから気が小さい人間なんで、仕事が薄いと夜も眠れない。しかも40で独立しているから、フリーランス失敗して就職し直すなんて絶対に無理、だからとにかく仕事をつないでいかなければならない、必死に生き残っていかなければならないと、そんな感じで走ってきたわけです。

ですから、わたくしが大事にしている言葉は何だと問われると、迷わず「生命力」と答える。もう、書をしたためたいくらい、伸び伸びとした「生命力」という文字を額に入れて職場にかざりたいくらいです。

ちなみになんですが、もうひとつ好きな言葉がありまして。さっきも述べたように、駆け出しのころは経済的余裕もなくて、自宅の倉庫代わりに使っていたような部屋の一角を仕事場にしていたのですね。エアコンもなくって、夏場はめちゃめちゃ熱い。パンツ一丁で中古のパソコンに向かってひたすら原稿を書いていました。夜になっても暑い、でも集中しないと原稿はかけない、その時に私は心の中で、あの武田信玄の「心頭滅却すれば火もまた涼し」という言葉を何度も何度も繰り返してしのいでおりました。

さて、ふたたび「生命力」の話にもどします。この言葉に触れると、以前に取材をさせていただいたフラワーデザイナーの方は話を思い出します。今では超大物の売れっ子になってしまった彼女ですが、植物の生命力について、こんな話をしてくれたのですね。
「大自然の中で生きている植物というのは、生きやすいところに向かって育っていきます。それは本能なのですが、非常に合理的でもあるわけですね。しかも、生きやすい場所で生きて、育っているから活き活きしている」って、そのまま引用ですが、この言葉がめちゃくちゃ刺さりまして。今も忘れられない。

私、実はここ東京だけでなく山梨にも拠点を構えていて、二拠点生活をしているのですが、庭があるんで自分で草刈りしたりとか、手入れをするのですが、とにかく雑草の伸び方ってハンパない。コンクリとかブロックの割れ目から顔を出して、グングン伸びていく。東京でもそうですよね。アスファルトの隙間から延びだしている雑草をよく見かけると思いますが、植物はどんなに困難な場所であっても、力強く、生きやすいところを探して育っていく、それは、どこに向かっていくかというと太陽です。

自分らしく生きていくために、陽の当たる場所に向かってひたむきに、まっすぐ伸びていく。それが生命の本能であり、合理的な生き方でもある。植物も人間も、同じような原理で生きています。そのフラワーデザイナーの言葉を聞いて、自分らしく育るための「生命力」という言葉を、さらに強く意識するようになりました。

これからもわたくし、しぶとく生き抜いてまいります。ということで、おあとがよろしいようで。本日も最後までお聞きいただき誠にありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。

Podcast「年間500人以上に取材を続けるプロ・インタビュアー伊藤秋廣が、本当に聴いたエモい話」
https://a-i-production.com/podcast.html

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