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定額全国住み放題サービスが人々の生活を変える

2020年01月21日
インタビュー術シェアリングエコノミー

有休資産の共有によって経済の活性化を図ろうとするシェアリングエコノミー。不動産・建築分野と親和性の高いシェアサービスをピックアップしていく。今回は話題沸騰中の住宅のシェア『ADDress』を紹介。

『ADDress』とは?
 月額4万円(税別)をお支払いいただくだけで、僕らが提供する全国の家のどこにでも住み放題となるコリビングサービスです。コリビングとは単なる住宅ではなく、シェアハウスとシェアオフィスが融合したもので、住まいと仕事をみんなでシェアする空間という位置づけ。誤解していただきたくないのですが、観光や短期宿泊所ではないので、長期契約の方々と賃貸借契約を行い、きちんと本人確認をしたうえで選ばれた会員様が、あくまで自分の住まいとしてご活用いただくことが前提となっています。現状では他拠点の別荘を持ちたい、第二のふるさとを持ちたい、あるいはワーケーションと呼ばれる田舎で仕事をしたいという方を中心にご利用いただいています。
 今年の4月から会員限定でスタートし、10月末から正式サービスを開始。入居希望のエントリーは開始前、すでに3700人を越え、リノベーション費用の調達を目的としたクラウドファンディングも締め切りを待たずして目的額に到達。大変ありがたいことに、入居したい人、投資したい人はもちろん、所有物件をエントリーしたいというオーナーさんや物件管理者への応募も殺到している状況です。

なぜにこれほどの反響があるのでしょう。
 ひとつはテクノロジーの進化が社会を変えたことが影響していると思っています。これまでの定住を前提とした社会構造から、どこでも仕事ができる、誰もが情報発信できるようになり、個人が中心の社会システムに変容。その中で自分の暮らし方、仕事が選べるようになってきました。一方で、地方の空き家を何とかしたいと考えながら、“自分たちの力でなんともできない”という方々がたくさんいらっしゃいます。その両方のニーズを満足した結果といえるのではないでしょうか。

若者の利用が多いのは意外ですね。
 実は3大都市圏に住む20代の4人にひとりが“田舎暮らしをしたい”と考えているという調査結果があります。移住や定住となるとハードルは高いのですが、それでも踏み込んでいる人たちが3.11の震災以降、倍増しているのですね。Iターン、Uターン、町おこし協力隊など何らかの形で2拠点生活をする人も20万人弱まで増えています。若者の中に“そうしたかった人たち”“すでに始めている人たち”がたくさんいて、そのニーズに対してADDressのコンセプトが刺さったのだと思います

『ADDress』を立ち上げた背景は?
 僕自身が8年前からシェアハウスで暮らして妻と出会い、子どもを授かり、そして家族でシェアハウスを作って暮らしてきました。そして6年以上前からAirBnBを活用して民泊を運営。世界中の人たちが泊まりに来て交流が生まれるというシェアライフを実践してきました。さらに地方でも暮らしたいと考えるようになって他拠点生活を意識。そういった個人的背景とは別に、4年前にシェアリングエコノミー協会を立ち上げ、地方自治体とお話しをする中で人口現象を目の当たりにして、シェアによる解決を模索してきました。そこで空き家が増えている事実を知り、都心部の20代〜40代が田舎で暮らしたがっているのであれば、それをシェアすることで課題が解決できる、定住者ではなく関係人口を増やせるのではないかと考えたのがきっかけになりました(次号へ続く)。

(プロフィール) 
株式会社アドレス

代表取締役 佐別当隆志氏

株式会社ガイアックス在籍中、16年に一般社団法人シェアリングエコノミー協会を設立。内閣官房、総務省、経産省のシェアリングエコノミーに関する委員を務める。18年、アドレス代表取締役社長、19年シェアリングエコノミー協会常任理事に就任

 

豊かな暮らしを創るコミュニティ・ペーパー「禅CLUB」1月号に掲載