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【パートナークリエイターの横顔】チーフディレクター/近藤由美さん

2023年02月18日
派遣インタビュアー

株式会社エーアイプロダクションが推薦するクリエイターの一人として、雑誌やWeb媒体の取材、執筆、編集から取材現場のディレクションまですべてこなしてしまう近藤由美さん。代表の伊藤が最も信頼するクリエイターの一人である。33歳で独立してから、“自分から営業をしなくても仕事の依頼が後を絶たない”近藤さんの秘密に迫るべく、話を聞かせていただいた。

広告代理店でがむしゃらに働いた20代

——最初に働いた会社は広告代理店と聞いてますが、入社のきっかけは?

大学生のときにミーハー心がけっこう強くて、自分が買っていた「女性誌の編集者になりたい」「女性誌を作りたい」という気持ちがあったんです。

就職活動のときに大手出版社と言われるところは受けたんですけど、もちろん落ちまして。だんだん就活に対する意欲もなくなってきて、卒業したタイミングで就職を決めることができなくて、1年間アルバイトをしていたんですね。

その時に広告代理店の求人を見て履歴書を出したことがきっかけです。

 

——広告代理店ではどのようなお仕事をされていましたか?

求人に「雑誌(有名雑誌の数々)の制作をしている」と書かれていたので志望したのですが、広告代理店なのでまずは営業をしなくてはならないということで。広告営業を半年ほどやったんですけど、全く契約が取れませんでした。

そんな時、校了が重なって制作部が忙しいから「制作の手伝いをしてきて」ということで制作のお手伝いに行ったんです。

そうしたら、自分のやりたかったことでもあったし、会社側も「営業より制作の方が役に立つんじゃないか」と思ってもらえたようで。

そこから制作に異動して、複数の雑誌の制作を7~8年くらいやりました。

 

——突然、制作をしろと言われてできるものなんですか?

最初にやったのは文字校正というか、入稿前の素読みみたいな感じですね。

文章をひたすら読んで、誤字脱字はないか、“てにをは”は間違ってないかのチェックから始まりました。

特にスキルがあったわけではなく、そこでやりながら覚えていきました。

小さい会社だったので、すぐに取材にも連れて行ってもらえて、とにかく書いて、書いて、書き続ける。最初は400文字の原稿を書くのに半日以上かかっていました。

 

——弊社代表の伊藤に出会われたのはどういったきっかけだったんですか?

当時の広告代理店に伊藤さんがライターとして売り込んでくださって。

私が伊藤さんに「取材に行ってください」と発注する立場だったんですよ。

その関係が何年か続いて、私が会社を辞めてから、逆に伊藤さんが声をかけてくださって仕事をやらせていただくようになりました。

 

「組織で働く難しさから距離をとってみよう」と独立を決意

——33歳で独立されたということですが、なぜ広告代理店を辞めようと思われたんですか?

その当時、働き詰めだったんですよね。土曜も日曜もなくもうとにかく大変で。

“20代は仕事しかしてません”という感じだったんですよ。

でも、やっぱり無理を続けると体調の変化も出てきて、“このまま続けてられないなぁ”という気持ちもあって、ようやく辞めました。

 

——そこからすぐに独立されたんですか?

広告代理店の後に、大手出版社に入って、(当時とても人気のあった)雑誌の担当をしていたんですけど、3か月の試用期間で辞めました。

前の職場でも大変なことはたくさんありましたが、大きい出版社に行っても違った大変さがあるんだなということがわかって。

当然なんですけど、組織なので(笑)。

会社にとっては迷惑な話だと思いますが、これでは繰り返しになるだけだと思ったんです。

 

営業しなくても仕事が舞い込み続ける秘密とは

——フリーになられてからお仕事は順調でしたか?

(全然そういうことではないのですが、と謙遜しつつ)前職の広告代理店で一緒にお仕事していた方が「仕事しない?」と声をかけてくださったり、それこそ(弊社代表の)伊藤さんみたいに私がお仕事をお願いしていた方が、「フリーになったんだったらやろうよ」とお仕事をくださったりして。

前職の仕事は本当に大変だったんですけど、一緒に働いている人はいい方ばかりで、そういう方々のご縁でお仕事をいただいてますね。

 

——一緒に仕事をしていた外注の方からお声がかかるってあまりないことだと思うのですが、心掛けていたことがあるのですか?

当時は、社外のプロの人たちのお力を借りて原稿を書いていただくというスタンスで、「外注の方々の足を引っ張るようなことをするな」と社長から言われていました。

なので、外注の方々が現場でスムーズに仕事ができるように下準備するのが私の仕事。レスポンスは早く、アポ取り一つにしても、気持ちよく仕事をしていただけるように気を遣っていました。

皆さん、仕事のスキルはもちろんのこと人柄もよく、尊敬していましたし、何より一緒に仕事をすることがとても楽しかったんですよね。

 

無駄がなく的確でわかりやすい文章は“聞く力”の賜物だった

 

——近藤さんが執筆された記事は「わかりやすくて選ぶ言葉に力がある」と感じたのですが、何か意識されていることはありますか?

“聞いたことがほとんど書けなくても聞く”ことはしたいと思っています。「200%くらいの気持ちで聞くこと」を心掛けています。

インタビューに慣れてくると「仕上がりがこれくらいの文字数なら、これくらい聞けばOKかな」ってわかるんですけど、そこから「さらに聞く」。

ふとした時の雑談中にすごく面白いことをおっしゃってくださったり、人となりを感じたりするので、「与えられた時間の範囲内で聞き続ける」という意識はあるかもしれないですね。

 

——お仕事の中で得意なジャンルなどはありますか?

食関係は7〜8年やってきたこともあって、シェフやレストランで働いている方々にお話を聞くのはすごく好きだし楽しいし、面白いなぁと思いますね。

最近は、年下のシェフも多くて刺激をいただいています。それぞれにストーリーがあって、こだわりを持ってお仕事をされているので、そういう方のお話を聞くのはすごく面白いです。

 

——現在、グルメ、ヘルスケア、住宅メーカーなどいろんなジャンルの執筆をされていますが、情報収集のために日頃から意識されていることはありますか?

グルメ関係ですと、以前は毎月グルメ雑誌を読んでいましたが、最近は、お店やシェフのSNSをチェックすることが多いですね。

幸いなことに食べることに対する自分自身の興味は衰えていないので、実際にレストランに足を運んだり。そこは意識的にやっているというよりは趣味の延長かな、と思います(笑)。

ヘルスケアなど専門性の高いものは、展示会やイベントに参加して、アップデートを心がけています。

あとは、横の繋がりで同じようなお仕事をしている友人と会って話をすることも情報収集のひとつだと思っています(笑)。

 

「一緒に仕事がしたい」と言われ続ける喜び

 

——これまでのお仕事で印象に残っていることはありますか?

雑誌の取材でインタビューをさせていただいたことがあって。

そこに同席してくださった編集さんが「すごいよかったです」と言ってくださって、最近、またその編集さんから久しぶりに連絡をいただいて「一緒に仕事したかったんです」とお声がけいただいたのはすごく嬉しかったですね。

そうやって「またやりたい」と言ってもらえる仕事ができたり、「お願いしてよかったです」と言ってもらえるのは嬉しいですね。

 

——また頼みたい、と思われるインタビュアーになるには?

(弊社代表の)伊藤さんのインタビュー術を取材させていただいたことがあって、その中で「なんで、なんで、なんで・・・」と深堀りしていくことが大事だよね、という話がありました。

私もそこを大切にしていて、「どうですか?」と質問して「こうですね」と答えていただいたことを記事にすることもできると思うんですけど、「それってどういうことですか?」ともう一回聞いてみる。

質問を1回でやめずに、時間の限り聞くじゃないですけど「なんでなんだろう」と深堀りする。せっかくインタビューの時間をとっていただいたのだから、取材を通じて初めて出てくる言葉を引き出すことができたらと思っています。

できるだけその方の本心というか「その方ならではの言葉で記事にしたい」と私は思うので、その方が“語り尽くした”と思うくらい聞くということではないでしょうか。

 

——今後、挑戦したいお仕事はありますか?

書籍のような長い文章を書く仕事をしてみたいなぁと思っています。

今やらせていただいているのは比較的文章量が短い案件が多いので、丸と1冊とか長いものを書くことにも1回挑戦してみたいですね。

すごく苦手な分野かもしれませんが、どういう思考や段取りで長い文章を仕上げていくのか経験してみたいですね。

これまでの仕事とは種類が違うものに挑戦して、幅を広げてみたいなぁという気持ちはあります。

 

(取材・執筆)高橋綾(エーアイプロダクション)

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